Sunday, January 27, 2013
台湾の救急病院
ずっと以前、台湾で夜中に吐き気と頭痛に襲われたことがあった。
そんなときに限って一人だ。
朝まで待って病院に行こうかと考えたが、
あまりにも苦しくて、これは朝が来るんだろうか・・・と恐怖を覚えてしまうほど。
日本に帰っていたテンキに「どうしよう?」と電話してみた。
「救急車、呼べば? 台湾はタダだし」
「タダだからって呼ぶのは迷惑よ」
「だれかに来てもらえば?」
「寝てる時間だから迷惑・・・」
「じゃあ、救急病院を調べてやるから、自分でタクシーでいけば?」
「それでいい・・・」
台湾には、外国人用の電話サポートセンターがある。
日本語でも応対してくれて、困ったときには、すぐに助けてくれる。
ありがたい。
ということで、救急病院にタクシーで到着。
台湾人の女医さんが、やさしく対応してくれた。
「ウィルス性の風邪でしょう。少々睡眠剤の入った点滴を打ちますから
ぐっすり眠ってください。起きたら、もう大丈夫ですよ」
(英語で)
小さなベッドに移され、注射と点滴を受ける。
午前3時というのに、ずらりと並んだ40~50のベッドには病人が横たわり、
家族が寄り添っている。
おばあちゃんに寄り添う中学生ぐらいの孫とか、
お父さんに寄り添う若い息子とか・・・。
ひとりぼっちなのは、私一人だ。
台湾って一人暮らしの高齢者が少ないからなぁ、
家族で助け合っているからなぁ・・・などと、
ヘンなところで感動してしまう。
急に心細くなったが、そこに現れたのは、救世主のようなボランティアの女性。
肝っ玉母さんのような女性で、なぜか日本語が話せる。
「大丈夫。リラックスして寝て」
とやさしく布団をかけてくれた。
起きたのは、昼前だった。
すぐ近くにボランティアの女性(昨日とは別の人)がいて、気づいてやってきた。
会計して、タクシーに乗るところまで、手を支えて付き添ってくれる。
台湾の病院では、昼夜、ボランティアの人がいて、
受付からあれこれ介助してくれる。
これって、必要なのかな?と思っていたけれど、
そのとき、心からありがたい・・・と感じた。
お金をもらってもいいほどの役割だけれど、
ボランティアとしてやってくれる人がいて成立しているのが台湾のすごいところ。
自分がやれるか?と考えたら、本当に尊敬してしまう。
ところで、話はまったく変わるが、
最近、テンキは学校のトイレに入り(個室の・・・)、水を流そうとボタンを押したら、
救急車がやってきたそうだ。
非常用ボタンだったらしい。
「なんて迷惑な・・・」と私。
「間違ったときのOFFボタンがないのが、いけないんだよ」
人の迷惑にならないように生きていこうとする私は、
なんて日本人なんだろうと思うことだった。
<写真>
アメリカのマイアミで。芝生にごろんと寝転んで撮った空