原稿を書いていて、ふと、3年前に亡くなった父のことを思い出した。
「そういえば、父の口から愚痴や悪口を聞いたことがないなぁ」と。
そう思った途端、泣けてきた。
昔の男はみんなそうだったのかもしれないが、苦労を見せない人だった。
いま考えると、すごいことかもしれない。
近すぎて気づかず、あとから、「そういえば・・・」と、気づくことって多い。
父が毎朝一人でファミレスに通っていたこと。
父が3回、結婚していたこと。
父と母との結婚のきっかけ。
・・・そんなことも知ったのは、旅立ってから。
娘がいうのもなんだが、謎の多い人だった。
母も、父のことで知らないことは多いらしい。
あえて、知らないままでいようとした、というのもあるが、ちょっと悔しい。
いまとなっては、選択もできない。ある材料から気づくだけだ。
泣けてきたワケは、それだけじゃないんだけど。
写真はアイタ族の親子。
狩りをし、家をつくり、さまざまな薬草をつくれる父親を子どもたちは尊敬している。